
ガトーバスク試作記録 Part5
今回はコンフィチュールをスリーズノワールとグリオットチェリーを1:1で作り、焼き上げました。
オーブンから出した直後は、表面がきれいに張っているのですが、冷めて落ち着くと、どうしてもシワになります。
これもガトーバスクらしさではありますが、今回は焼き上げの最後の10分くらいから、コンフィチュールが縁から出てきました。
しっかり冷蔵庫で冷やしてから、半分にカット。
コンフィチュールがしっかり詰まった状態で、問題なさそうです。
味はというと、コンフィチュールにスリーズノワールを半分入れたせいか、甘さと酸味が別々に出てしまい、一体感が弱くなりました。また、グリオットチェリーが少なくなった分、香りや味も弱くなりました。
結果、前回(Part4)のグリオットチェリーのコンフィチュールがとてもおいしくできたので、それを製品として販売することに決定しました。
今回の試作は、可能性を探るという意味合いで行いました。
蛇足感があるのは承知のうえで、それでも実際にやってみて判断する――そんな作業でした。
おいしくなる可能性を一つひとつ探ったり、まだやったことのないことに挑戦してみること。
そうした時間が、とても大切だと考えています。
王道であるスリーズノワールのコンフィチュール入りのガトーバスクにはなりませんでしたが、現代の人の「おいしい」という感覚に標準を合わせてるので、MORI YOSHIDAではグリオットチェリーのガトーバスクを販売します。
パリの店舗では、早くければ週末から並べてお客様の反応を見てみようと思います。
完成にたどり着くことができたので、とても満足のいく試作になりました。