
ガトーバスク試作記録 Part2
コンフィチュール・スリーズノワールが完成。
冷ましてから、敷き込んだ生地に流し入れていきます。
上の生地をかぶせ、麺棒で軽く押さえて接着させる。
ココでは、生地の間に空間ができないようにしつつ、ガルニチュール(中身)がはみ出ないように。
全卵と卵黄を混ぜたドリュール(つや出し用の卵液)を塗ったら、レイエ(模様を入れる工程)してオープンへ。
155℃のコンベクションオーブンでダンパー(※)を開けた状態で50分焼き上げます。
生地に全粒粉を少し加えることにより、小麦の焼けた香ばしさをプラス👌
※補足:
「ダンパー」とは、オーブン内部の湿気や蒸気を外に逃がすための通気口(排気弁)のことで、「ダンパーを開ける」と蒸気が外に逃げてオーブン内が乾燥し、サクッとした食感に仕上がります。
焼き上がり。
コンフィチュール・スリーズの方は落ち着いて焼けたのですが、クレーム・パティシエールを入れた方はかなり浮き上がりました。
冷めたのでカット。
すぐ食べたくなる性分で。冷凍庫で無理矢理冷ましたので中のコンフィチュールがまだブロックされてなかった😆
試作あるあるです。
クレーム・パティシエールの方は、焼き上がって冷ますと、生地が落ちてしまい、しっかり割れました💧
今回は「ガトーバスク」のクラシックな味2種類。
パティシエールの方は、小麦とクレーム・パティシエールの味のバランスがとても良い一方で、上がしっかり割れてしまいました。
次回の課題は、割れないように焼くにはどうするか。
スリーズノワールの方はビジュアルはとても良かったのですが、コンフィチュールの量を多くしたいと思っているので、もっと甘さを抑える必要がある。
今回は、フランスのガトーバスクをよく調べただけでなく、日本のガトーバスクのレシピも研究対象としました。
日本で紹介されているガトーバスクのレシピには、なぜかラム酒を使ったものが多く見られます。ですが、実際のバスク地方にはラム酒入りのガトーバスクは存在せず、フランス語で調べてもそのようなレシピはまったく見つかりませんでした。
日本にガトーバスクを紹介されたどなたかが、「ガトー・ブルトン」混同してしまったのが、ラム酒入りレシピが広まった原因ではないかと想像しています。
自分はもちろんラム酒を使わずに、バスクの人々にもおいしく食べてもらえるガトーバスクを目指して作っています。
こうして調べて、作って、また見直していくことで、本来のかたちが見えてきます。
正しいフランス菓子を伝えたい🇫🇷